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メンバー向け情報

SAFE FROM HARM「危害から守る」

~思いやりを育むプログラム~

1 セーフ・フロム・ハームの考え方

ボーイスカウト運動は、「ちかい」と「おきて」の実践を基盤とした、青少年の成長を支援する教育プログラムで、家庭教育・学校教育と並ぶ地域教育として人間性を育でいます。
 世界スカウト機構(WOSM:World Organization of the Scout Movement)は、よりよい教育の提供と危害のないスカウト活動の環境を整えるために「セーフ・フロム・ハーム」を定めました。そりにより、多くの国や地域の連盟では、その考え方を導入し推進しています。
日本のスカウト運動においても、「ちかい」と「おきて」をもとに、思いやりの心を育む教育プログラムとして、「セーフ・フロム・ハーム」を導入することになりました。
「他の人への気づかい」ができ「思いやりの気持ち」を育む人づくりを目指していきます。
まさに、それは「神へのつとめ」「他へのつとめ」「自分へのつとめ」ができるスカウトの育成につながります。

2 スカウト運動のセーフ・フロム・ハームとは

Safe From Harmの背景
第21回国連総会で、「児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)」(UN Convention on the Rights of the Child(CRC))が採択され1976年発効されています。
スカウト運動においても2002年ギリシャ・テサロニキで開催された、第36回世界スカウト会議で、いじめ・身体的虐待・心理的虐待・ネグレクト(無視)・搾取(児童労働、無理に奪い取る、ゆする)などの危害について、その予防と対処法を実践することで「Keeping Scouts Safe From Harm」が採択されました。
セーフ・フロム・ハームは、スカウトそして指導者として、また人として日常的にしてはいけないことを学び、日常のスカウト活動で実践します。
ここでは、スカウト部門は年代によって、理解すべき内容や対処の仕方が異なることを考慮し、それぞれの暫定的年代で学ぶべき方法などの事例を提示しています。
 また、指導者と保護者向けには、注意すべき事項と責務について書かれています。

3 スカウトのためのセーフ・フロム・ハーム

Safe From Harmとスカウト活動

いじめ・身体的虐待・心理的虐待・ネグレクト(無視)・搾取(児童労働、無理に奪い取る、ゆする)などの危害について、その予防と対処法を実践すること
ここでは、スカウトとして、また人として日常的にしてはいけないことを学び、実践することを示すものである。

ビーバースカウトのセーフ・フロム・ハーム

ビーバースカウトの「やくそく」を守ることを前提とする。 
(学び方)
隊長を中心とする成人指導者、あるいは保護者との対話が中心となる 
ビーバー年代は、禁止することよりものびのびと生活することによって、心身ともに成長することを踏まえて指導する。
(学びの内容)
 ・ともだちと仲良くし、助け合うことを学ぶ。(わかちあい)
 ・うそをついたり、ごまかしたりしないで、元気に過ごす。
 ・お世話になっている人々に感謝する。
・動植物にやさしい心で接し、命の大切さを学ぶ。
 ・みんなで使うものを大切にする。

カブスカウトのセーフ・フロム・ハーム

カブスカウトの「やくそく」、カブ隊の「さだめ」が前提となる。
(学び方)
隊長を中心とする成人指導者、あるいは保護者との対話が主となる。
指導者とともにある年長者スカウト(デンコーチなど)との活動もその一環として活用される。
(学びの内容)
・いじめや暴力を絶対にしない。
・友達の嫌がることをしない。
・他人のものを無理に手に入れようとしない。
・社会の決まりを守る。

ボーイスカウトのセーフ・フロム・ハーム

「ちかい」と「おきて」の実践を基盤とする。
(学び方)
指導者とともに、ディベートディスカッションやシンポジウム、フォーラムなどを活用する。
(学びの内容)
・いじめや暴力をしない。
・相手や仲間が嫌がることをしない。
・知らない人とメールをしない。
(対処の方法)
 危険なことを目撃したり、被害にあった場合には、直ちに隊長や上級班長に伝える。

ベンチャースカウト・ローバースカウトのセーフ・フロム・ハーム

ベンチャーやローバーの仲間として、自らの人としての姿勢、態度としての
Safe From Harmの理解と同時に、年少スカウトたちへの接し方でもあることを十分に認識して対応する。

(学び方)
  危険に遭遇しないための配慮について常に話し合い、それらをテーマにしたフォーラムなどを自ら開催する。
(学びの内容)
・基本的人権としての個人の尊厳の大切さを学ぶ。
・いじめ・虐待・暴力の当事者とならず、また、違法(危険)薬物の使用も絶対に避け、これらについての些細なことも見逃さない。
   ・セクシャルハラスメントについての些細なことも見逃さない。
   ・他人から不適切と思われる態度や言動をしない。
   ・活動や遊びの中であっても、年少者に不快を与えるような、あるいは思わせるような言動はしない。
  (対処の方法)
・自らの所属隊内での異変や危険に気づいたり情報を得た場合には、可能な限り情報共有の努力をするとともに、直ちに、指導者に状況を伝える。

・自ら所属する隊以外の部門(ベンチャー、ボーイ、カブ、ビーバースカウトなどの隊)内での異変や危険に気づいたり、情報を得た場合には、状況をメモするとともに、速やかに当該隊長などの指導者に伝える。

※各部門での教材などの作成について検討します。

4 指導者のためのセーフ・フロム・ハーム

「ちかいとおきて」の実践を基盤として スカウトを育成する成人指導者。
指導者自ら
・自分の言動は ボーイスカウト理念に反してはいないだろうか。
・自分の言動は 家族や友人に恥じることはないだろうか。
・自分の言動は 自分の良心に背いてはないだろうか。
常にコンプライアンスチェックをして スカウトの訓育・教育に携わることが大切である。

指導者―指導者

<役務に関するチェック>
・本人に適した役務を依頼しなければならない。
・役務の遂行ができる様 支援を行わなければならない。
・年令の差別をしない。
・男女の差別をしない。

<コミュニケーションチェック>
・団委員長又は隊長は 他の指導者の意見を素直に聞かなければならない。
・好き嫌いを露わにしてはならない。
・酒気を帯びての会話は気を付けなければならない。

<SNSのチェック>
・誹謗中傷の書き込みはしてはならない。
・酒気を帯びての書き込みは注意が必要。
・1対1でのメールや電話での議論は避ける。


<スカウトへの指導のチェック>
・活動にふさわしい服装の指導を行わなければならない。
・深夜の一人行動(トイレ、入浴)はさせてはならない。
・指導者への 報告、連絡、相談の出来る環境作りをしておかなければならない。
・いじめられたスカウト いじめたスカウトへの指導が出来なければならない。
・自分で判断し 行動の出来る様に指導していかなければ成らない。

指導者―保護者

・ボーイスカウト運動の目的 原理 方法を分かりやすく説明できなければならない。
・隊長は グループ活動でのスカウトの役割を保護者へ説明しなければならない。
・保護者からの相談に快く応じ 解決策に取り組まなければならない。
・保護者指導者間の誹謗中傷をしてはならない。
・コミュニケーションを取る機会を多く設ける。

保護者として

・わが子の心身的な成長・変化に常に関心を持たなくては成らない。
・指導者へ報告・連絡・相談を心掛けなければ成らない。
・ボーイスカウト運動の目的を理解し活動に協力しなければ成らない。

指導者とは
・全ての人の尊厳を尊重する。
・全ての成人指導者は 青少年を平等に扱う。
・相手の嫌がることは 自分では善意と思っても行わない。
・全ての人に 脅威を与えるか 脅威を接する言葉を使わない。
・どの様な悩みにも親身に相談にのり 対応する。
・ウェブサイトは誰でも見られることを意識した内容を選ぶ。(個人情報 顔写真など 本人又は保護者の許可なく投稿しない)
上記に反することを 見て見ぬ振りをしない。

5 セーフ・フロム・ハームの問題発生と対応

Safe From Harmに関しても問題が発生したら

  問題(危害)を受けたら相談すること、危害を見たら適切に対応することが重要です。
 「見て見ぬふり」は、しないこと。
 問題は、組織として対応することも重要です。

スカウトとスカウトの場合

手順-1 スカウトが、危害を受けたり、危害を見たら身近な指導者に相談する
手順-2 指導者は、他の指導者(団委員長)と身近なコミッショナーに連絡する
手順-3 保護者に連絡をとり説明をする
       「記録を残すこと・敏速な行動・公平性等に心掛けて対応する」
手順-4 対応

スカウトと指導者の場合

手順-1 スカウトが、危害を受けたり、危害を見たら他の身近な指導者(団委員長)に相談する
手順-2 団委員長と身近なコミッショナーに連絡する
手順-3 保護者に連絡をとり説明をする
       「記録を残すこと・敏速な行動・公平性等に心掛けて対応する」
手順-4 対応

指導者と指導者(保護者)の場合

手順-1 危害を受けたり、危害状況を見たら、身近な指導者(団委員長)に相談する
手順-2 身近なコミッショナーに連絡する
       「記録を残すこと・敏速な行動・公平性等に心掛けて対応する」
手順-4 対応 

6 セーフ・フロム・ハームと法律

法的問題

セーフ・フロム・ハームにおける危害がスカウトや指導者その他の関係者の権利を著しく侵害し違法性を帯びる場合には、法律的問題として、犯罪としての処罰(刑事事件)、損害賠償責任(民事事件)への発展する場合があります。

刑事事件

いじめについては、犯罪行為と認定され、刑事事件となる場合あり。
器物損壊罪(刑法262条)、暴行罪(刑法208条)、傷害罪(刑法210条)、傷害致死(刑法205条)、強要罪(刑法223条)、恐喝罪(刑法249条)、強盗罪(刑法236条)、助けたり、唆したりすると共犯になりうる。
性的虐待については、児童虐待防止法2条2号で規制。
強制わいせつ罪、強姦罪、児童福祉法違反の淫行をさせる罪に該当。
刑事手続をとる場合、子供と加害者の子供の人間関係の修復がきわめて困難となる可能性あり。警察への相談や告訴が必要な場合、何度も被害者の子供への事情聴取がなされ、調査のために二次被害を受ける可能性もあります。

民事事件

加害者・加害者の親・学校(場合によっては教師個人…ボーイスカウトの場合は団委員長・指導者個人)を相手として民事賠償責任を追及する場合あり。民事事件は金銭で解決するしかないのが法の建前です。
賠償請求が認められるためには、加害者・加害者の親・学校等が自殺などの結果が生じることにつき、予見可能であったことが必要。事案・ケースバイケースで判断は分かれます。

事件とする場合

問題は発生した場合は、早期に事情を確認し、証拠化することが必要。
証拠化するには、客観証拠でないと事件性(刑事・民事を含めて)は維持出来ない。人の証言は変化するが、客観証拠は変化しない。但し、証拠化は難しいことを意識した対応が必要です。

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(タスクチームの経過報告)

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