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日本連盟コミッショナーより冬季の諸活動に向けての呼びかけが全国の都道府県連盟を通じて発信されました。

全都道府県連盟宛・日本連盟コミッショナー発信文書

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は、ボーイスカウト運動へのご尽力並びに本連盟の運営にご理解、ご協力をいただき厚くお礼申し上げます。
さて、貴連盟および所属各地区、団、隊において、冬季の諸活動の準備が進められていることと存じます。つきましては、スカウト活動のより一層の安全への注意喚起を図るため、下記のとおり留意事項を通知いたしますので、貴連盟指導者各位にご周知いただき、安全に対し万全を期されるよう御指導をお願い申し上げます。

敬具

公益財団法人ボーイスカウト日本連盟
日本連盟コミッショナー 膳 師 功

冬季諸活動の留意事項

1. 活動計画について

冬季は、スキー、スノーボード、スケートなどのウインタースポーツ、雪中キャンプや雪中ハイキング等、冬の自然が感じられる活動や冬ならではの様々な活動が展開されます。活動時は、スカウトの体力、技能、その日の体調等を考慮し、安全かつ楽しい経験が出来るよう取り組み、夢と冒険心あふれる冬季の諸活動を通じて、スカウトの心身の成長を促す機会にします。そのために、指導者は、教育効果や安全確保を疎かにすることなく、基本どおりプログラムプロセスに添った十分かつ綿密な計画を作成します。
活動終了後には、万が一に備え、協力の要請をお願いした緊急連絡先や関係機関(病院、警察、消防、関係県連盟等)に、お礼とともに無事終了の報告をお願いします。

2. チャイルドプロテクション(児童保護)

日本連盟では、世界スカウト機構(WOSM)の方針であるセーフ・フロム・ハーム※1の導入に取り組んでいます。現時点では、セーフ・フロム・ハームの考え方の一部である「チャイルドプロテクション」を推進していますので、理解と同意、そして実践をお願いします。

※1 セーフ・フロム・ハームとは、いじめ・身体的虐待・心理的虐待・ネグレクト・搾取等のあらゆる危害について、スカウト同士、スカウトと成人、そして成人同士の問題として、その予防法を学び、実践するためのものであり、チャイルドプロテクションを包括します。

3.安全対策

(1)スキー、スノーボード、スケートの活動時における安全対策

  1. 自分の体力や能力、地形や気象の状態、その他の状況に合わせたコースの滑り方に心がけ、自分の技術以上の斜面での滑降やスピードを出し過ぎないようにします。
  2. 事故は、指導者の目の届かない自由滑走時に多く発生していますので、状況に応じた具体的な指示、指導を徹底し安全確保に努めます。
  3. 安全用具(ヘルメット、プロテクター、手袋等)の着用に十分配慮します。
  4. スキー場等ではルールを事前に把握し、厳守します。
  5. 特に引率指導者が重度の怪我を受傷することが多く見受けられます。スカウト同様に十分な安全確保をします。

(2)ノロウイルス等の食中毒の予防
食中毒は夏季に多いイメージがありますが、1年を通じて発生しています。冬季は「ノロウイルス」等のウイルスによる食中毒が発生しやすくなっています。ノロウイルスは、感染力が強く、大規模な食中毒など集団発生を起こしやすいため、餅つき等調理を伴う活動においては、調理者の健康管理、手洗い(トイレに行ったあと、調理施設に入る前、料理の盛り付け、次の調理作業に入る前等)、調理器具の消毒等、感染防止について一層の啓発と指導を徹底します。
また、肉の生食や加熱不足の肉料理は避けます。
なお、厚生労働省ホームページに食中毒予防に関するリーフレット等各種情報が掲載されていますので、参考にしてください。

(3)登山・ハイキングでの安全対策
これらの活動には、道迷い、落石、雪崩、低体温症などの危険があります。危険を予知し対処できるようにします。また、体力増強や体調管理を図り、コンパスワークや読図等のスキルも事前に修得し安全対策の一助とします。
日本連盟ホームページに日本連盟コミッショナー通達「登山・ハイキングの実施に関して」を掲載していますのでご参照ください。

(4)天候チェック
活動前に必ず気象の予報チェックを行い、プログラムの実施、変更、延期または中止等適切に状況判断し決定します。

4.公共マナーの遵守

平成26年度事業計画重点施策にも掲げております。公共交通機関での移動や公共施設利用時は他
の利用者の見本となるよう「ちかい」と「おきて」の実践に努めて行動します。

5.各種書類の提出

活動場所や内容に応じて必要書類を県連盟や行政管轄部署等に提出することが求められています。

(1)登山等の活動を実施するならば、登山計画書(登山届)を管轄している警察署等に提出します。
(2)活動を県外で行う場合は、隊指導者は団を経由して所属県連盟に県外旅行申請書を提出します。
(3)全ての活動において、隊指導者は、実施計画書、安全計画書を必ず事前に作成し、団に提出し承認を得ておきます。

6.その他

(1)冬季は気象条件や環境の変化が厳しいことから、通常時の安全対策に加え、冬季に応じた対策を
念入りに行います。
(2)活動計画の折には、事前準備を十分行い、実施中は状況に応じた具体的な指示・指導を徹底し安全確保に努め、万が一事故発生の際は迅速で的確な対応がとれるよう取り組みます。そして、スカウト・指導者一人ひとりが安全への意識を高め「自分のことは自分で責任をもつ」心構えの醸成に努めます。
(3)日本連盟ホームページにて、安全委員会がスカウティング誌に掲載している「野外活動のための安心・安全講座」をとりまとめた冊子(平成23年5月~平成26年5月)」のダウンロードが可能です。また、過去の日本連盟コミッショナー通達も掲載されていますので、併せて活用ください。

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