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信仰奨励委員会 飯盛 安信

スカウトたちとキャンプに行って、海山の景色、動物や植物、夜空などを見たり、触れたり感じたりしたとき、スカウトから「美しい、いい匂い、不思議、清々しい、気持ちいい」など、いろいろな感想があがってくることでしょう。そこで、あなたが「自然はすばらしい」とまとめたとして、「どうして自然はすばらしいの?」とスカウトから聞かれたら、どのように答えるでしょうか?

B-P はこういっています。
「キャンプはスカウト生活の中でも楽しいものだ。神の造られた大自然の中で丘や木や鳥や獣や、海や川に囲まれて生活すること―つまり、自分の小さなカンバスの家で、自分で炊事をし探検をして自然にとけこんで生活する―それは町のれんがと、ばい煙の中ではとうてい得られない健康と幸福をもたらしてくれる」(『スカウティング・フォア・ボーイズ』第Ⅰ章 スカウト技能 キャンプファイア物語2「スカウトがすること」より)

スカウトの問いに、「神様が造ってくださったからすばらしいのだね」と答えられたらいいですね。そして、それぞれの教宗派について話を広げられたら、よりすばらしいと思います。

例えば、日本では太古から自然と人は一体であり、自然を愛し、自然と人間とが共に生きてゆく、という思想で歩んできました。あるいはキリスト教の『聖書』には、「神が、光と闇、天と地、水と大空、海と大地、草や木、海や空の生き物、地上の生き物と人間を造り、7日目にすべてを祝して休んだ」という天地創造のお話があります。神が宿る自然、共に生きる自然、神から与えられた自然、どの教宗派においても自然はとても大切なものです。ですから、私たちが自然を大切にすることは、「神へのつとめ」の一つであると思います。

気候変動や異常気象による高潮や台風、熱波や寒波などの災害、農業や漁業などに起こる問題や、熱中症や感染症など、健康への影響も大きくなっています。自然保護や環境問題に取り組むこと、そして自分たちの生活を見直すことも、信仰奨励活動の一つになるのではないでしょうか。

 

ボーイスカウト日本連盟機関誌「SCOUTING」2020年3月号より

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