＜機関誌「SCOUTING」2023年7月号の記事を本サイトにも掲載しております。内容は機関誌発行当時のものです。＞
※AIS:Adults in Scouting… スカウト運動における成人の取り組みについて、人材の発掘から、資質の向上、活動の評価や組織運営なども含めた「ライフサイクル」という概念を用いた、スカウト運動を支援する仕組み、またその考え方。
当団のローバースカウトは、地域の青少年愛護協議会の依頼を受け、毎年4月〜5月末まで活動地域の阪急夙川（しゅくがわ）駅南と夙川公民館付近に川を渡すように鯉のぼりを設置しています。実はこの活動、阪神・淡路大震災の際に家屋が倒壊するなど多くの被害を受けた方々から自宅では揚げられないから何処かに揚げられないかと鯉のぼりを提供いただき、皆さんの思いを込めてローバースカウトが夙川に揚げたことが始まりです。冬の地震発生後、春になり生活も徐々に戻りつつあるなか、春の日差しを受けて優雅に泳ぐ鯉のぼりは当時、被災者の方々の心を穏やかにしてくれました。今でも近隣の方々は、鯉のぼりを毎年楽しみにされています。
今ではこのような歴史があることをご存知ない方がほとんどですが、夙川ローバースカウトのみんなが思いを今もつないでいます。今年も優雅に鯉のぼりが夙川の上を風になびかれ泳いでいます。4月に設置し、5月末に夙川公民館で実施される『夙川スカウト育成会バザーの日』に撤去することを28年間続けています。（コロナ禍は中止、現在は再開）
流山第3団では2011年より“地域社会が強く優しい子どもを育てる”ことを目的として、流山市内の年長から小学校2年生までの地域の子どもを対象に「自然体験学習〈星の森学校〉」 を毎月1回（2月、3月を除く）行っています。文部科学省委託事業であった2005年から数えると19年目を迎え、今では流山市と流山市教育委員会の後援を得て、地域に根付いた取り組みとなっています。当団ビーバー隊も一緒に参加して、一般参加の子どもと仲良く遊んでいます。プログラムには身近な場所や物を利用して自然を感じる内容を盛り込んでいます。自然観察ハイキングでのフィールドビンゴでは、五感をフル回転させて葉っぱや虫を発見したり、草木染めでは大人も一緒に工程を楽しみ、絞り模様のオリジナルハンカチの出来栄えにみんな大満足でした。
リピーターも多く、子ども同士、そしてスタッフとも自然と打ち解けてきます。大人は子ども全員を見守ってくれます。子どもにとっては多くの大人に見守られていることが安心感や自己肯定感につながっていくのでしょう。今後も星の森学校は、勝ち負けや点数では測れない大切なものを学ぶ場として、地域のかけがえのない居場所として役立っていければと思っています。
この事業は岡崎中央総合公園で今年も5月5日（金・祝日）に行われました。出展は6年前から行われており、今回はロープワークや丸太切り体験、パイオニアリング（見張り台と投石機）を用いた撮影スポットなどを提供しました。大型工作物と自然体験の組み合わせは人気があり、これら市との事業連携は、30年ほど前から続いています。また、会場内でボーイスカウトのPR や体験の受付も認められているのも大きなメリットです。
この夏祭りの目玉の一つが、大名行列。起源は江戸中期、祭りの日だけは町人が武士などに扮することが認められていました。その子ども版「子ども大名行列」も行われるようになり、40年ほど前から各団のカブスカウトらが参加するようになりました。スカウトにとっては注目の的となる稀有な経験となり、保護者世代のまつり参加者への大きなアピール材料にもなっています。残念ながら新型コロナ禍の影響で2020年から中止が続いており、再開が待たれます。
ボーイスカウト日本連盟機関誌「SCOUTING」2023年7月号にも掲載している内容です
