文字サイズ


日本のスカウト運動を力強いリーダーシップで牽引し、世界スカウトジャンボリーを成功に導くとともに日本連盟の財政再建などを推進した奥島孝康総長が2024年5月1日に85歳でご逝去されました。
謹んでご冥福をお祈りいたします。


公益財団ボーイスカウト日本連盟 総長
学校法人早稲田大学元総長(1994年~2002年)
早稲田大学名誉教授、名誉顧問、光輝賛助員

[略歴]
ボーイスカウト愛媛県連盟宇和島第1隊入隊(1947)、早稲田ローバース入隊(1959)、
財団法人ボーイスカウト日本連盟理事(2001~2004)、日本ボーイスカウト東京連盟連盟長(2006~2022)、
公益財団法人ボーイスカウト日本連盟理事長(2010~2020)、一般財団法人ボーイスカウトエンタープライズ理事長(2012~)、
ボーイスカウト栃木県連盟小山第6団(白鴎大学ローバース)団委員長(2017~)、
公益財団法人ボーイスカウト日本連盟総長(2020~)、日本ボーイスカウト東京連盟顧問(2022~)
[日本連盟受章歴]スカウティング褒章(2015)、きじ章(2016)
[外部受章歴]フランス政府 パルム・アカデミック章(コマンドゥール)(2001)、瑞宝大綬章(2023)


奥島孝康総長を偲んで

日本連盟理事長 水野 正人

新緑が瑞々しい5月初めに奥島孝康総長の突然の訃報に驚きました。長らくボーイスカウト日本連盟理事長として連盟の健全化を進められた奥島総長に心から哀悼の意を捧げます。
随分以前になりますが早稲田大学総長を務められていた頃、早稲田大学にスポーツ科学部が創られ、私はスポーツ産業学会を通じて奥島総長には親しくご厚誼を頂いていましたが、ある新聞取材の折、子どもの頃スカウト活動で得た生きる姿勢についての私の記事がスカウト関係者の目に留まり、そのご縁で2015年より奥島理事長の下、スカウト運動のお手伝いをすることになりました。
多くの機会に奥島理事長の愛媛県宇和島隊のスカウト活動で鍛えた、「全ての訓練は野外で行う」と言う信念や朗らかで卓越したリーダーシップに感銘を受けました。
2015年山口県きらら浜に於ける世界スカウトジャンボリーでは、同時期に開催されている夏の高校野球を日本高等学校野球連盟会長として山口と甲子園との間を往復しつつその両方を大成功に導かれました。
そのジャンボリーでは猛暑の中、各国派遣団を表敬訪問し、また開会式でのホスト国連盟代表挨拶では、法学研究者としてパリ大学で培ったフランス語で行うなど、その国際性を発揮され、世界が一つになりました。
一方、2022年に100周年を迎える日本連盟には多くの問題が山積みでありましたが、奥島理事長は多くの知恵を結集し、9ケ条からなる財政再建と機構改革方針を策定、実行に移し、100周年を迎える前迄にその成果を上げることが出来ました。
幾度かご一緒させていただいた研修会の夜は、奥島理事長を中心に皆でスカウトソングを大声で歌い、また皆にスカウティングの本質を染み込ませ、心を一つにする求心力が日本のボーイスカウト運動を活気付ける源でありました。
あの朗らかで豪快な笑い声を偲び、これからのスカウト運動を見守っていただくことを願いつつ奥島孝康総長のご冥福をお祈り致します。

この件に関するお問い合わせ

ボーイスカウト日本連盟事務局(総務担当)
電話:03-6913-6262 Email: soumu@scout.or.jp

<お知らせ >の記事