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<機関誌「SCOUTING」2023年9月号の記事を本サイトにも掲載しております。内容は機関誌発行当時のものです。>

8月1日から8月12日まで、大韓民国の全羅北道にあるセマングムで開催された第25回世界スカウトジャンボリー(25WSJ)。
敷地面積は約8.8平方キロメートルの広く、一面に海を見下ろせる会場で世界150の国と地域よりおよそ43,000人のスカウトが集まりました。さまざまな体験や挑戦があった25WSJでの、スカウトたちの様子をお届けします!

1 韓国空軍アクロバット部隊のブラックイーグルスによるアクロバット飛行。なかなか見ることのできない貴重な出来事!
2 開会式で参加国の国名が呼ばれた。『ジャパン』と呼ばれ大きな声とともに立ち上がるスカウトたち。
3 マスコット: セボミ/セボミはセマングムで育てられた虎の赤ちゃんです。

写真提供: 秋篠宮家

25WSJ日本派遣団国旗授与式

日 程 : 2023年7月28日(金)
場 所 : 赤坂東邸
秋篠宮皇嗣殿下より国旗を拝受いたしました。

 

大会概要

期 間 : 2023年8月1日(火)から8月12日(土)
参加者 : 150の国と地域より約43,000人
※うち、日本派遣団 1,563人
場 所 : 大韓民国・全羅北道 セマングム
テーマ : Draw your Dream!(あなたの夢を描こう!)
※参加国数および参加人数は 8/1時点の世界スカウト機構の発信より

日本派遣団/合計1,563人

参加隊/ 35隊1,388人(スカウト1,249人、指導者139人)
派遣団本部員(CMT)/30人
国際サービスチーム員(IST)/145人(うち1人JPT)

生活エリアは4つのハブ、18のサブキャンプで構成され、各サブキャンプにはさまざまな国のスカウトたち、約2,000人が生活しました。台風回避のため、全ての参加者が会場を移動することになりましたが、自国の文化や料理、グッズの交換(スワップ)などを通じて交流を図り、海外のスカウトと生活するという貴重な体験をしました。夏の夜にキャンプの明かりを灯しながら語り合い、笑い合う時間はスカウトたちの良き思い出になったことでしょう。

獅子舞や盆踊り、折り紙や浴衣、習字など、日本の文化を通じて海外のスカウトと交流を図りました。

日本派遣団の移動先である忠清北道の救仁寺。

日本からの参加者にはネッカチーフが2枚配られています。富士山や桜が描かれている日本のネッカチーフは特に大人気で、ネッカチーフやバッジなど、皆思い思いに海外のスカウトと交換し、大切なジャンボリーの思い出の品となりました!

場内・場外ともに、普段の活動では体験できないようなアクティビティから馴染みのあるものまで、さまざまなプログラムが行われました。スカウトたちはバスで移動し、全羅北道の各都市を訪問し、各地のプログラムとして、韓国の民族衣装体験、キムチ作り体験、VR 体験、水上アスレチックやスポーツなど、大会会場周辺の会場内外および移動先の忠清北道で現地ならではの魅力あふれるプログラムに参加しました。

信仰奨励特別編

スカウトと世界の宗教
信仰奨励小委員会 飯盛 安信

世界スカウト機構には、世界の宗教連合というグループの中で、キリスト教(プロテスタント、カトリック、ギリシャ正教)、イスラム教、ユダヤ教、仏教、ヒンドゥ教(シク教)など世界の人口の77%もの人が信仰している5大宗教が所属し、信仰奨励や諸宗教間の対話の促進などの活動をしています。
今大会では、宗教・信仰奨励のエリアが「InterReligious Faith&Beliefs」という名称となり、それぞれが信仰する宗教だけではなく、異なる宗教間の中での学び・プログラムとなるように準備されていました。上記の他、韓国のウォン仏教とヴァンガード(旧:末日聖徒イエス・キリスト教会)が加わった9つの教宗派がブースを出展していました。
ブースで各宗教の歴史や教えを紹介、鐘をついたり太鼓を叩いたり、木片の魚にコテで模様を描いたり、塗り絵をしたり、板を切って印の形のペンダントを作ったり、瞑想して祈りを短冊にして天井からぶら下げたり、参加スカウトがより楽しめるように工夫を凝らしていました。
各ブースでは小規模な宗教儀礼として、毎日の読経や礼拝なども行われていました。大人数での宗教儀礼が行えるよう共同集会場が設けられ、数百人規模の集会を各宗派で時間予約をして利用していました。
8月6日は大会における信仰奨励の集いが各教宗派で行われ、カトリックも2,000人程のスカウトと指導者が集まり、人数の多さだけではなく、ミサに対する熱気に感動しました。ミサは韓国の司教はじめ世界各国の司祭が進行し、お祈りは自国の言葉で行われました。戦争をなくし平和な世界への祈りと今大会や次回ポーランド大会への祈りを行いました。ミサが終わりに差し掛かると、ともに腕を頭の上で揺らし、大きなうねりのように神を賛美する歌が大合唱となりました。これには多くの司祭たちも驚き、この喜びに満ちたひとときを共有しました。まさに神を礼拝し、賛美するとはこのことなのだと実感させられました。

ボーイスカウト日本連盟機関誌「SCOUTING」2023年9月号にも掲載している内容です

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