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日本連盟 常設委員会

日本連盟には8つの常設委員会(2年任期)があります。常設委員会はそれぞれに役割を担い、特別委員会とともにボーイスカウト運動発展のため相互に協働します。本年5月より、2022年に迎える日本連盟創立100周年に向けた重要な任期となる委員会が新体制となり動き始めました。今号では、8つの常設委員会が取り組む今年度の事業指針を各委員長からご紹介いたします。

 

委員長
木村 寿宏
(神奈川)

 

団支援・組織拡充委員会

団支援・組織拡充委員会の使命は、加盟員の確保と組織拡充に関すること、スカウト運動の普及に関すること、各団の組織拡充への支援に関することの3点です。2019年度に続き、今年度の事業計画にも、重点施策として「加盟員拡大・組織拡充・中途退団抑止に向けた取り組み」があります。

当委員会では、具体的に
① 加盟員拡大と未組織地域の新団発足を目指す「組織拡充モデル県連盟」のさらなる推進
② 県連盟組織拡充担当委員長会合を通じた加盟員拡大とスカウト運動の普及に関する研究の推進
③ 社会連携・広報委員会および中途退団抑止特別委員会と連携した3委員会協働による県連盟への総合的支援の推進について、全国の皆さまと手を携えて取り組んでまいります。ご協力のほど、お願いいたします。

 

委員長
榊原 孝治
(愛知)

 

プログラム委員会

プログラム委員会では、日本連盟創立100周年に向けた長中期計画の行動計画より、主に以下の項目について推進してまいります。また、各種施策および事業展開においてSDGsの各目標達成に寄与できるよう、当委員会においても取り組んでいきます。

【今年度タスク】

  • スカウトの積極的な活動と部門プログラムの活性に寄与する支援を行う。
  • 現状の青少年の発達段階や学年制などを考慮した部門の見直しを進める。
  • 企業や団体との連携、バッジシステムやプログラムパッケージの共同開発と提供を行う。
  • すべての部門での野外活動の拡大を図り、屋外プログラムパッケージの開発と提供を行う。
  • APR、WOSMとの関係強化を図り、RS年代の成人参画と人材育成を進める。
  • WOSMの発信する「World Scout Youth ProgrammePolicy」に則したプログラムの促進および見直しを進める。
  • 緊急 活動自粛期間中におけるプログラムの取り組み、進歩の促進について支援を行う。

 

委員長
大久保 秀人
(東京)

 

指導者養成委員会

指導者養成委員会では、約600人のトレーナーを統括するディレクターチームと協働して、隊や団の指導者の皆さまへの訓練や支援を充実させ、指導者の皆さまが自己成長することによってスカウトたちに素晴らしい活動を提供できることを目的とし、委員会を運営しています。今年度はさらにコミッショナーとの協働を推し進め、団とコミッショナーの訓練の充実をはかるとともに、今の社会に適した訓練や支援を検討してまいります。また、トレーナーの制度の見直しを行うことにより、さらに質の高いトレーナーが指導者の皆さまの支援をできるようにしてまいります。
Adults in Scouting World Policy(AIS)のさらなる理解と周知を推し進め、特にアダルトライフサイクルに沿った成人の活用を行い、さまざまな役務を担う成人の皆さまへの支援と訓練を充実させるべく、今後も当委員会は停滞することなく前へ進み続けてまいります。

 

委員長
笹渕 真子
(東京)

 

国際委員会

スカウト運動は、世界171の国と地域で行われ、4,000万人以上の仲間がいます。国際委員会は、日本のスカウトを世界へ、そして世界のスカウトを日本へつなぐ委員会です。2020年度は、予定しておりました海外派遣等国際行事が中止または延期という、今までにない状況を迎えております。しかし、そのような状況下においても各国の取り組みから学び、共に協力しながら新たな国際交流を考え、国際理解を進めていかなくてはなりません。
ビーバースカウトやカブスカウト世代から世界の一員であることを知るプログラムに取り組み、ボーイスカウトやベンチャースカウトで国際感覚を身につけ、ローバースカウトは国際協力を学び実践し、日本のスカウトが世界で活躍できるように支援します。「日本全体で『Nextgeneration』を世界に。」を合言葉にスカウトの可能性を一緒に広げていきましょう。

 

委員長
澤 朋宏
(愛知)

 

社会連携・広報委員会

私たち社会連携・広報委員会のタスクは、その名称どおり「地域社会との連携を深めること」と「本運動の広報に努めること」のふたつ。新型コロナ禍による活動自粛の中で迎えた今年度は、いつにも増してその重みが増していると気を引き締めております。これまで推し進めてきた新広報戦略「10本の矢」を改定しながら継続普及し、この運動の認知度を高め、入団者増に資することを基本に、【社会に向けた広報】と【組織内での情報流通の促進】とに取り組んでまいります。
また、団支援・組織拡充委員会、中途退団抑止特別委員会との3委員会協働による、各県連盟へのさまざまな支援を通じて、全国の活動がより充実し魅力を増していけるよう努めてまいります。この数か月間、全国の各団が活動をどのように継続しようかと苦慮されたことでしょう。コロナ禍後に元に戻すのではなく、今回知り得たことを従来の活動に加え、今年が本運動にとっての「第二のスタート」になればと願っております。
ピンチを、チャンスに。皆さんとともに、変えてまいりましょう。

 

委員長
水戸守 雅之
(大阪)

 

「セーフ・フロム・ハーム」・安全委員会

「セーフ・フロム・ハーム」・安全委員会では、「安全はすべてに優先する」「スカウトの笑顔のために」を目指し、委員会一丸となって常にこれらを追求したいと考えております。2019年度は、残念ながらスカウトが直接被害を受ける「セーフ・フロム・ハーム」に関する出来事が数件発生し、急遽、日本連盟コミショナーより「指導者バディルールの通達」が出されました。
このようなことが今後二度と起きないよう、当委員会では登録前研修(eラーニング)のさらなるブラッシュアップ、「セーフ・フロム・ハーム対応規程」を含めたガイドラインの作成、参加者討論型のフォーラムやセミナー等の開催、スカウト向け教材の開発等を考えております。
また、「持続可能な開発目標(SDGs)」についても「思いやりの心を育む」観点で研究、検討し、ガイダンス等を作成するほか、継続事業として実施している参加者討論型の「安全促進フォーラム」についても内容を発展させていく予定です。
そして、スカウトに安心で安全な活動を提供し、スカウトの笑顔と保護者や社会からの信頼を得たいと思います。

 

委員長
和田 剛和
(宮城)

 

財務委員会

これまで日本連盟は、2017年に策定した「財政ビジョン」に取り組んでまいりました。しかしながら加盟員減少に歯止めがかからず、さらには、この新型コロナウイルス感染症の影響も大きく、将来の財政バランスを保つためには、「新・財政ビジョン」を策定しなければならないと考えております。
単に登録料改定でしのぐのではなく、登録料収入が減少する将来の可能性を視野に、事業や業務について、日本連盟事業予算の全面的な見直し、そして事務局の「働き方改革」を含めた管理費の全面的な見直しを行い、できる限り支出を抑える必要があると考えます。また、エンタープライズの経営の透明化によって安定的な経営を図ると同時に、保有金融資産の活用や企業寄付の獲得による、新たな収入の確保を目指します。
スカウト運動を広げるため、そして皆さまの安心したスカウト活動のため、それを担う日本連盟の安定した財政基盤を見据え、さまざまな事案に積極果敢に取り組んでまいる所存です。
今だからこそ、さらに「感謝の心」をもって、全力を尽くしてまいります。皆さまのご指導、ご協力を今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

委員長
村上 智真
(山口)

 

信仰奨励委員会

仰奨励委員会は、今年度、スカウトの信仰を奨励するために、主に次の取り組みを検討していきます。

  • 授与基準のない教宗派でも宗教章がとれる仕組みについて
  • 指導者向けの宗教章について
  • 宗教関係者の会の活用について
  • スカウト活動での「信仰奨励」の具体的な活動例や宗教章へのいざないの方法の提示について
  • ビーバースカウトおよびカブスカウトへの信仰奨励について

また、宗教関係代表者会議、宗教関係者の会と協働して、スカウトと指導者が明確な信仰をもつことができるように進めていきたいと考えます。

 

ボーイスカウト日本連盟機関誌「SCOUTING」2020年7月号より

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