1.「気づきの力」をトレーニングする
出発点のStep1気づきの力とは、「今、ここにある自分の心と身体の状態にしっかりと気づく力」のことです。例えば、私たちは「イラっとして誰か(モノ)にあたってしまう」ことがありますが、これは「イラっとする」という感情と、「誰か(モノ)にあたる」という行動が自動的に1セットになっている状態のようです。気づきの力とは、イラっとしたときに「あ、今自分はイラっとしたな」としっかり気づいて、これに注意を向けることができる能力のことです。
まずは、Step1 気づきの力のトレーニングから始めてみましょう。
1 自身の感情や身体の状態に注意を向けて観察する
自身の感情に気がつくと同時に、身体のどの部分にどのような変化が生じているか(心臓がバクバクしている、頭に血が上っている、息が荒くなるなど)にも注意を向けて観察してみます。
2 観察したものを評価せずに、あるがままに受け止める
「イラっとしてはいけないな」などと評価したり抑え込んだりせずに「あ、今自分はイラっとしたな」と、あるがままに受け止めます。このトレーニングを続けることで、注意力と集中力が身についてくるということです。すると、Step2の自己認識力や自己肯定感が高まっていき、行動の手前で立ち止まることができるようになり、これによってStep3の共感・コミュニケーション力の向上、Step4の思いやりのあるチームの実現へとつながっていきます。簡単なようですが、私たちの心には過去の後悔、未来の心配、不安などの思考がいつもめぐっているため、今この瞬間に自身に起きていることに対して、常に注意を向けるということが難しいのです。そのため、気づきの力は筋トレと同様に、日々のトレーニングが大切です。
2. やってみよう!「気づき」のお天気ワーク
下記は、いつでも個人でもできるワークです。組集会や班集会などの始まりに取り入れてみてはいかがでしょうか。参考にしてみてください。
| 方法 |
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| 知っておくべき大事なポイント |
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| 指導者の方へ | 自身の状態をお天気で伝えるというのは、簡単なようで難しいことです。何も伝えられないで終わってしまうと、落ち込んでしまうかもしれません。そのような場合には、お天気のほかに「今日の自分の決意や願望」として、活動の中で意識したい「おきて」や「やくそく」を1つ選んで仲間に伝えるというワークを一緒に行ってみるのもよいと思います。 |
マインドフルネスについて興味をもった読者の方は、下記参考文献をご参照ください。 【参考文献】 荻野淳也著『マインドフルネスが最高の人材とチームをつくる ― 脳科学×導入企業のデータが証明!』(かんき出版) スーザン・カイザー・グリーンランド著、大谷彰監訳、浅田仁子訳『マインドフル・ゲーム 60のゲームで子どもと学ぶマインドフルネス』(金剛出版)
ボーイスカウト日本連盟機関誌「SCOUTING」2020年11月号より