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指導者の皆様へ
平素はスカウト活動にご尽力賜りありがとうございます。
現在は新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言は解除されておりますが、昨今のニュースでは、感染が拡大している兆候も見られ、収束までにはまだまだ予断を許さない状況です。
例年であれば、夏季は年間の活動の締めくくりとして長期でのキャンプや舎営などが行われ、大きな進歩、成長を遂げる機会となりますが、今夏については、新型コロナウイルス感染の影響下で、夏休みの短縮や3密を避けた感染拡大防止に配慮した活動となります。
つきましては、活動にあたっては、日本連盟や所属県連盟から発出されている最新の活動方針に従い、地域の状況を踏まえたうえで、感染防止対策(※)や別紙の夏季特有の安全対策(熱中症など)に取り組み、夏季の諸活動が安心安全に行われますようご指導をよろしくお願いします。
また、日本連盟では、このたび、コロナ禍により閉塞感のある毎日を過ごしている全国の子供たちを励ますための自然体験活動事業を文部科学省より受託し、各県連盟と連携して実施することとなりました。これは各団が普段行っている自然体験活動をベースとして、一般の子供たちと一緒になって楽しむことができる機会となり、新規スカウト募集の良いきっかけとなる事業となります。この事業を活用いただくなどして、ぜひ各団で新しい仲間を増やしていきましよう!
最後になりますが、本年5月30日オンライン全国大会でも申し上げましたが、再度皆様に、日本連盟コミッショナーとしての私の想いをお伝えさせていただきます。

2020年7月17日

                                                    日本連盟コミッショナー 福嶋 正己

※感染防止対策については、「新型コロナウイルス感染への対応について(第10報)」をご参照ください。

日本連盟コミッショナーメッセージ(5月30日オンライン全国大会より)

私たちはみな、事態の沈静化に向けて協力していかなければなりません。元の暮らしに戻るのではなく、新型コロナウイルスの影響下で、新しい生活様式による日常のスタートが求められています。
各地域で、安全で安心な活動を再開できるよう、「感染拡大予防のためのガイドライン」を発信しました。県連盟ごとに地域の状況を把握し、それぞれの地域状況に即して対応していただくことが多くあります。このガイドラインは、今後も状況に応じて適宜見直しを行い、皆さんに示していきたいと思います。
このコロナウイルスの影響下、まずは仲間とのコミュニケーションを十分にとってください。現代は、便利なツールがたくさんあります。
隊長は、スカウト(特に班長)と十分につながってほしいと思います。
いまこそ、私たちは「ちかい」と「おきて」の実践に立ち返るときです。
私たちは、今この時を、特別に与えられた時間として、私たち自身のためだけに使うのではなく、スカウトとして、スカウトの「ちかい」である「いつも他の人々をたすけます」を実践するときとして捉えていきましょう。
善行はどんなに小さなことでも構いません。災害時の取り組みなど、さまざまな貴重な経験から相手の立場に立って行動する姿勢こそ、スカウトのあるべき姿だと考えます。
スカウトの「ちかい」に、「からだを強くし、心を健やかに、徳を養います」とあります。これは単なる心身の健康を意味しているわけではありません。この「強さ」や「健やかさ」には、「大事なことに対して、決してひるまず実践していく」ということにつながる意味が含まれていると思います。
困難なときや迷ったときにこそ、スカウトの「おきて」を一つひとつ思い起こし、行動してください。そうすることにより、スカウトとして、ゆるぎない心で他の人々を助けるよう、努めることができるでしょう。
純粋に、誠意をもって素直でいる心が「徳」というものを自らの心の中に育んでいくのではないでしょうか。そして、その「徳」を備えたスカウトは、将来、必ずや社会に対して良い影響を与えてくれると思います。
スカウトのモットーは「なかよし」「いつも元気」、そして「そなえよつねに」です。
今なすべきことをしっかりと心に留め、日本のスカウト運動を世界に発信し、そしてもっとたくさん仲間を増やしていきましょう。
私たちのユニフォームの右胸には、世界スカウト記章がついています。私たちは、世界171の国と地域で活動する4,000万人の仲間と共に、世界のスカウト運動の一員です。
より良い世界を創るために、いつの日も歩みを止めることなく、これからも前へ進んでいきましょう。
Scouting Never Stops !

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夏季特有の安全対策

熱中症対策の徹底

  1. 気象状況を把握し、活動を見直す
    • 天候に加え、気温、湿度の状況も把握してください。
    • 状況に応じて、予定の活動を見直す、中止するなどの判断を確実に行ってください。
  2. 安全な場所の確保と十分な休憩
    • 活動中には、日陰や風通しのよい場所の確保を行い、休憩を十分にとれるよう努めてください。
    • 暑さや日差しにさらされる場合は、休憩をこまめにとり、無理をしないようにしましょう。
  3. 持ち物・服装
    • 野外での活動では必ず帽子をかぶり、通気性のよい服装で活動しましょう。
    • 必ず飲み物を用意し、早めに飲むようにしましょう。
    • 折りたたみ傘など日よけとして活用するなど工夫しましょう。
  4. 水分・塩分補給
    • のどがかわいていなくても、こまめに水分をとりましょう。
    • 大量の汗をかくときは、特に塩分補給をしましょう。
    • 活動中は適宜、休憩と水分を取る時間を持ちましょう。
  5. その他の配慮
    • 活動の内容によっては、単独で行動することがないようにすることも大切です。
    • 活動に参加する前の健康状態、とくに十分な睡眠や食事とるようにしましょう。
    • これらのことをスカウトだけでなく指導者にも徹底してください。
  6. 熱中症と思われる時
    • すぐに医療機関へ相談、または救急車を呼びましょう。
    • 涼しい場所へ移動し、衣服を脱がし、体を冷やして体温を下げましょう。
    • 塩分や水分を補給しましょう。(おう吐の症状がある場合や意識がない場合は、むりやり水分を飲ませることはやめましょう)
  7. 参考(下記の情報を参考に、熱中症の予防、対策に努めましょう。)

水辺活動の安全対策

川や海の水には流れがあり、離岸流、ダンパー波、一発波、インショアホールなどといった危険な波があるとともに、冷たい水による低体温症、増水や消波ブロックに潜む危険もありますので、現地の情報等を事前に調査のうえ、十分な安全対策を講じるようにします。
特に、海での活動については、令和元年度スカウティング誌7月号に「海での活動について 自己救命策の3つの基本(①ライフジャケットの常時着用、②連絡通信の確保、③海難の際の緊急通報電話である118番の有効活用)」を掲載していますので、ご留意の上、安心・安全な活動を行うようにお願いします。

登山・ハイキングでの安全対策

これらの活動には、道迷い、滑落、落石、落雷、崩落、鉄砲水などの危険があります。また、夏山登山でも低体温症は起こり得ます。これらの危険を認識し、最悪の天候を想定した防寒着、雨具等の装備を持つなど対処できるようにします。また、体力増強や体調管理を図り、コンパスワークや読図等のスキルも事前に修得し安全対策の一助とします。
日本連盟ホームページ(https://www.scout.or.jp/member/info/comi_tozan_20131218/)に、日本連盟コミッショナー通達「登山・ハイキングの実施に関して」を掲載しておりますので参照してください。

危険な動植物への対応

野外活動では、危険な生物に遭遇することがあります。最近はクマの被害も出ています。活動先の環境や動向を調査し、地元の方に情報を聞く等、その対応を必要以上にお願いします。
また、スズメバチ被害も毎年20人前後の死亡者(厚生労働省人口動態調査より)が出ており、最も危険な生物といえます。毒蛇、ムカデ、ヒルなどの危険生物の他、マダニ等の媒介による感染症が多く報告されておりますので、マダニの生息場所に入る場合には、長袖の服、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し、肌の露出を少なくし、活動後には、入浴して体をよく洗い、付着したマダニがいないか点検し、衣服は洗濯するなど予防に努めます。また植物では、ウルシや棘のあるノイバラなどにも注意が必要です。接触の可能性がある場合は、被害に遭わないよう予防に心がけるとともに被害への対処ができるようにします。

食中毒対策

夏季はO157など食中毒が発生しやすくなります。食材の保存には十分注意して、予防対策を講じておきます。

天候チェック

局地的な集中豪雨など異常気象や落雷による事故・被害が発生しています。活動前に必ず天候チェックを行い、プログラムの実施、変更、延期または中止など適切に状況を判断して決定します。

以上

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