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<機関誌「SCOUTING」2023年7月号の記事を本サイトにも掲載しております。内容は機関誌発行当時のものです。>
 

「これまでの当たり前」から
「現代版」のスカウトキャンプへ
2023年5月、新型コロナウイルス感染症が2類から5類に移行し、健康・衛生面に留意しながらも、コロナ禍以前のようにキャンプの実施が可能になりました。これまで制限されたキャンプのなかでも、ソロテントでの就寝や個別調理など、新しいキャンプスタイルを体験してきました。今こそ、「これまでの当たり前」を見直してみましょう。

テントの種類とサイト設計

ボーイスカウト隊の班サイトは、キャンププログラムのベース(基地)になる場所です。衛生的な食事環境、着替えをしたり、大切な道具を収納するスペース。そして、活動の疲れを癒してくれる就寝場所などサイト設計の計画をするだけでもワクワクします。計画する班サイトは頑丈で雨に強い家形テントが良いか、すぐに移動でき乾燥が早いドームテントが良いか、班サイトの機能を果たすために、考えることはたくさんあります。「これまでの当たり前」を見直し、キャンププログラムに応じた自分たちの班サイトを想像・創造してみましょう。
 

ダイナミックな活動

夏のキャンプの経験が無かったり、班長として後輩スカウトを率いたことがないスカウトも多くいることでしょう。キャンプは日ごろの訓練の成果を試す場でもあり、自分たちが実施したいプログラムをスカウトが企画立案する大切な機会です。この数年で制限されていたことは忘れて、できることではなく自分たちが本当にやりたいことは何か、スカウトが中心となって考えてみましょう。指導者、隊や団は、保護者や地域を含めた育成会とともに、その活動を実施するためにどんな支援が必要か考えてみましょう。
 

班や隊での調理

食事も大切なスカウトプログラムの一つです。これまでの個人調理や黙食から一転して、みんなで調理をして、ワイワイと食事をする風景が戻ってほしいと願っています。衛生管理の観点から、手指消毒や使い捨て手袋の利用、マスクの着用などは、調理時間中などの使用を推奨しますが、主体的な選択を尊重し、個人の判断に委ねていくことに変わっていくことになります。一方で個人調理器具の利便性なども分かっていることから、自分たちのキャンプスタイルに合わせたメニュー、調理について検討してみましょう。
 

SDGs視点からのスカウトキャンプ

このコロナ禍で多く目にしたであろう、SDGsの視点を取り入れることも新しいスカウトキャンプに必要な観点です。キャンプのなかで食べ残しや使える食材を生ごみにしていないか、徹底してごみを分別して処理できているか、といったことはこれまでもやっていたでしょうか。1回の食事ごとのごみやCO2の量を調べることで、環境やリサイクルの視点でキャンプ生活を楽しんでみるのはどうでしょう。また、班ごとに出るごみの量を少なくする方法を考えて競い合っても良いと思います。地球にやさしいキャンププログラムを考えてみましょう。
 

プログラムコミッショナー 川瀬 政美

ボーイスカウト日本連盟機関誌「SCOUTING」2023年7月号にも掲載している内容です

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