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<機関誌「SCOUTING」2022年3月号の記事を本サイトにも掲載しております。内容は機関誌発行当時のものです。>

日本連盟 隊指導者訓練コース

指導者になって、
研修にいこう

日本連盟では、スカウトが楽しいプログラムを体験できるよう、成人指導者の研修を実施しています。大きく分けて①隊指導者向け ②団指導者向け ③指導者を養成するための指導要員向けの3つで、それぞれの役務に応じたものになっています。また、研修は全国各地で開設しているため、ご自身が活動している近隣地域の研修に参加することができます。
今号では、隊指導者向け訓練の流れとウッドバッジ実修所についてご紹介します。

 

指導者養成に関する指針

指導者は日本連盟の掲げる目的(定款第3条)を達成するため、またその使命を果たすために、継続的かつ効果的にスカウト運動を推進しなければなりません。そのためには基本方針(教育規程1-4)に則った良質なプログラムをスカウトに提供し、彼らがそのプログラムに主体的に参画することで成長し、よき市民として社会に貢献することが重要です。
成人指導者は、スカウト運動の目的、原理、方法に賛同し、積極的に青少年のプログラム活動を支援する必要があります。

指導者養成体制
  • スカウト運動における成人に関する世界方針(Adults in Scouting ポリシー)に基づく訓練
  • 個性、環境、能力に対応した支援や研修の提供
  • 任務中の支援(インサービス・サポート)

 

隊指導者訓練の流れ
ボーイスカウト講習会(導入訓練)

スカウト活動に興味があり、これから指導者になりたい方やスカウトの保護者などが対象。
ボーイスカウトの概要と基本的な方法を知ることができます。ボーイスカウト運動がどのようにして始まったのかなど、概要と基本方針を知り、ハイキングやゲームなどの体験を通じて学びます。[本誌2020年11月号 P10参照]

スキルトレーニング

スカウト活動を楽しく安全に行うために必要な、基礎的なスカウトスキル(ロープワークや野営技能など)を身につけます。隊指導者訓練においては、ウッドバッジ研修所(スカウトコース)に参加するための事前課題として、4つのスカウトスキルに関する細目履修を設定しています。
スキルトレーニングは、スカウトへの指導能力を高めるもので、隊指導者のプログラム推進能力の幅を広げることにも繋がるため、指導者訓練への参加に関わらず、日ごろから自主的に取り組む必要があります。[本誌2020年11月号 P8参照]

ウッドバッジ研修所(基礎訓練課程)

スカウトコース

全部門の指導者共通研修として、隊を編成し、3 泊 4日のキャンプ生活を通じてプログラム展開方法、スカウト教育法を理解する研修です。

課程別研修

スカウトコースの研修を終えたあと、隊長としての責務を果たすことができるように各部門の特徴を理解し、部門ごとのプログラム実施方法を学び、スカウトに展開できるようにする研修です。

ウッドバッジ実修所(上級訓練課程)

研修所での体験と自隊での活動をもとに、さらなる理論的な隊運営と実践的かつ体験的な野外での活動を、野営によって体得するのがウッドバッジ実修所です。


 

ウッドバッジ実修所(上級訓練課程)

ウッドバッジ実修所では、スカウト運動の価値を再認識し実践するため、スカウト運動の正しい活動方法を理解し、実際に体験することで、スカウトの活動内容をより実践的に身につけていただきます。特に第二教程では、講義や実習だけでなく、他の参加者やスタッフと交流しながら情報を交換することもとても重要です。参加者自身の課題や疑問点の解決、状況の改善のヒントを掴むきっかけになるかもしれません。研修内容をよく理解し、それを自身の隊で実践することで、スカウトたちの成長に大きく寄与することができます。

各課程の特徴と身につける内容

ビーバースカウト課程/ビーバー隊のプログラム運営実習、保護者へのアプローチ
カブスカウト課程/カブ隊のプログラム運営実習、カブのキャンプファイア
ボーイスカウト課程/一級旅行、ちかいとおきて、スカウティング技能
ベンチャースカウト課程/チームビルディング、アドベンチャー旅行、指導・支援の方法


 

実修所の流れ

第一教程(課題研究)

  • コミッショナーやトレーナーの支援を受けながら、参加者がそれぞれ事前に取り組みます。

第二教程(基本訓練)

  • 3泊4日(ビーバースカウト課程、カブスカウト課程 )または4泊5日(ボーイスカウト課程、ベンチャースカウト課程)のキャンプを実施します。
  • 小グループを活用し、グループワークとして実施します。
  • 講義やグループ討議、実習とキャンプ生活の体験を通じて学びます。
  • スカウティングらしいプログラム企画や、スカウトと保護者、地域社会に受け入れられるためのアプローチについても学びます。

第三教程(実務訓練)

  • 第二教程で学んだことを実際に隊運営に反映して展開し、その結果を報告します。

※基礎訓練課程では、全部門指導者共通研修修了後にそれぞれ課程別研修を受けますが、上級訓練課程に全部門指導者共通研修はなく、初めから各課程に特化した研修に取り組みます。


指導者訓練方法は大きく5つに分類できます。今回、主に紹介したウッドバッジ実修所などの「定型訓練」のほか、特定のスキルを修得するための「定型外訓練」、「実務訓練」「個別支援」「自己研修」です。いくつかの訓練を組み合わせ、相互に連携する訓練を用いることで、指導者の訓練ニーズを満たすことができます。
団や地区での勉強会やコミッショナーへの支援依頼等によって、実修所参加の動機付けを行うことが、隊指導者のモチベーションを高めることにも繋がります。一人でも多くの指導者が実修所へ参加し、より効果的なプログラムをスカウトに提供できるよう、身近な指導者同士で相互支援をしてください。

※令和4年度のコース開設予定は、日本連盟HPをご覧ください。

https://www.scout.or.jp/member/establishment_schedule2022/

指導者養成委員会

ボーイスカウト日本連盟機関誌「SCOUTING」2022年3月号より

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