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新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴い、2月末より県連盟や団・隊における対面での集会や行事について自粛をお願いして参りました。5月に入り、政府より緊急事態宣言が解除されました。今後は、徹底的なクラスター対策を講じることで感染拡大の防止に努めつつ、「新たな日常を」スタートさせることがもとめられています。
当連盟では、各地域で活動を実施していく際の感染拡大予防のための留意点としてガイドラインをまとめました。それに合わせて、「Scouting Never Stops」のもと、進歩に対する意欲の低下を防ぎ進歩の歩みを止めないことを目的とした、特別措置をまとめました。県連盟におかれましては、先のガイドラインと合わせて、県連盟内の隊・団において取り組みが行われますようご理解とご協力をお願い申し上げます。

関連資料

新型コロナウイルス対応における進歩に関する特別措置

1.特別措置の趣旨(目的とねらい)

目的「Scouting Never Stops」のもと、スカウト活動意欲、とりわけ進歩に対する意欲の低下を防ぎ、進歩の歩みを止めないことを目的として、進歩に関する特別措置をとる。ねらい日々変更する事態に対して、各隊・地区、各県連盟で柔軟な対応ができるとともに、単に課題を与え、時間つぶしとしての活動を提供するのではなく、困難な状況においてこそスカウトとしての誇りを認識し、また今までとは違った視点で改めてスカウティングの面白さに気づき、困難の先に野外に出て思いっきりキャンプやハイクをしたいという気持ちを育て、今後のスカウティング活性のための絶好の機会になることをねらいとする。

 

2.課程・進級取得可能期間に対する特別措置

BVS部門特になし。学年が上がると同時にビックビーバーとなる。CS部門活動自粛期間に合わせ、次の課程に上がった以降も一定の期間を定め、次の課程と並行して修得課目に挑戦できる(一定の期間は、隊や地域状況に合わせ、隊長の判断とする)。BS部門月の輪について、CS隊で全てを履修できずとも、BS隊と協力のうえ、隊や班の活動において、残りの履修に取り組むことができる。VS部門現高校3年生に相当する年齢のスカウトに対しては、富士スカウト章の日本連盟への申請期限を6か月延長する。ただし、今後の政府および自治体の措置によるスカウト活動の制限(令和2年2月21日以降)を勘案して、さらに延長をすることを検討する。現高校2年生に相当する年齢以下のスカウトついては、上記活動制限の期間を勘案して、申請期間の延長を検討する。

 

3.考査方法、考査基準に対する特別措置

隊長は、進歩・進級に関して、考査の原則(規程7-33)および考査の基準(規程7-34)に即し、隊長の責任において、ウイルス感染防止に関する措置の下における制限及び環境に合わせ、隊における特別の考査基準や考査方法を設けることができる。ただし、地区または県連盟における考査のある進級(菊、隼)については、県連盟コミッショナーまたは地区コミッショナーの設ける特別の考査基準や考査方法に、日本連盟申請の必要な進級(富士)については、日本連盟コミッショナーの設ける特別の考査基準や考査方法に沿うこととする。

    • 県連盟コミッショナーまたは地区コミッショナーは、地域の状況を勘案して、菊、隼の進級に関する特別の考査基準や考査方法を設けることができる。
    • 日本連盟コミッショナーは、富士の進級に関する特別の考査基準や考査方法を別途設ける。また、隼、菊の進級に関する特別の考査基準や考査方法を設ける際の参考となる指針を別途示す。
    • 隊および地区、県連盟において特別の考査基準、考査方法を設ける際、「野営、ハイク等の野外での活動や複数人数が対面で実施しなければならない細目」については、活動制限の緩和に合わせて「後日実施すること前提」として、「一定の成果および考査の計画(※)」をもって考査することができる。
      (※)「一定の成果または考査の計画」:その時点で実行可能な訓練や準備(知識、技能、安全、心構え等)の確認、および日程を除く具体的な考査方法の計画等、後日実施されることを見込まれることを示すもの)
【考査の原則(7-33)】
進歩及び進級課目の考査は、本運動の目的及び基本方針に適合した状況の下で、隊長の責任において行う。ただし、隊長は、特定課目に関する考査を自己の責任において他の者に委託することができる。
② 進歩及び進級課目の考査は、課目に示された能力を体得し、それが実際に役立つものであるかどうかを認定するものである。
③ 進歩及び進級の考査は、技能についてのみでなく、「ちかい」と「おきて」の実践を重視する。
【考査の基準(7-34)】
考査の基準は、スカウトの年齢、知能、体力、特質、発育の程度及び生活環境によって一律に考えるべきではないが、いかなる場合もその最低基準線はこれを守らなければならない。

【参考:日本連盟規程集・教育規程より/令和元年度版(PDF)

4.技能章に対する特別措置

技能章は、隊長考査の技能章は隊長により、考査員考査の技能章は技能章考査員により、それまでの成果(レポート、活動、実践等)や面接の内容を総体的に勘案して、各技能章の細目が示す水準に達しているかの判断をもって考査することができる。ただし、以下の考査内容に関する細目について考査することが不可能な場合は、「後日実施することを前提」にする、または「同等の努力と能力を必要とする課題に代替」することができる。

    • 「実演」が必要な内容(例:「パイオニアリング章」いかだ、軽架橋、信号やぐらの構築)
    • 「実績」が必要な内容(例:「野営章」入団以来通算10泊以上のキャンプ)
    • 「参加」が必要な内容(例:「救急章」ボーイスカウト救急法講習会もしくはそれに準ずる救急法講習会を修了)
    • 「資格・認定等」が必要な内容(例:「武道・武術章」当該連盟初段以上もしくはそれに相当する試験に合格)
    • 「成果物」が必要な内容(例:「案内章」踏査を行い、その実施計画作成上十分参考となる程度の報告書を作成提出)

5.特別の措置への留意点

①柔軟な対応スカウトの置かれている環境に合わせ、活動の方法や考査の方法を柔軟に設定する。野外での実施や対面での実施が必要なものは後日の挑戦を前提に承認し、進歩を進める。②活動を通しての進歩単に課題を出すのではなく、進級課目に興味を抱き、制限された環境下でできる活動の実行を伴った進歩への取り組み(プログラム)を提供する。③パトロールシステムの活用活動の制限、スカウト環境、地域状況に合わせ、可能な限り部門に合わせたパトロールシステムを活用して進歩を進める。④基準の維持スカウトが特別に低い基準で修得したと認識しないよう、課目への挑戦の意義や成果、ちかいとおきての実践等を評価して、困難な状況下で取得したことに対して誇りをもった進歩になるよう最大限の配慮をする。⑤特別措置の見直し活動の制限の緩和や地域における状況により、順次、特別の考査基準および考査方法を見直し、または、通常の考査基準および考査方法に戻す。

 

この件に関するお問い合わせ

ボーイスカウト日本連盟事務局 教育開発部
Email: program@scout.or.jp

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