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※撮影者の所属等は応募時(2020年2月時点)のものです。
※タイトル、撮影者コメントは応募時の表記のまま掲載しています。
※プライバシー保護のため、一部を加工しています。

 


今年の写真コンテストも、引き続きキヤノン株式会社に賞品をご提供いただきました。「少年の部」「青年・成人の部」それぞれの最優秀者にお贈りいたします。ぜひ、今後の活動の中でもカメラに親しみ、魅力あふれる瞬間を写真に収めていきましょう。


 

少年の部( 中学生以下)

【応募総数186点】

最優秀
『ボーイスカウト大好き』
 前田 悠貴 群馬・館林第1団 カブスカウト

ぼくたちがいつも活動している茂林寺は、秋になるとイチョウの葉が落ちてとてもきれいです。皆さん、ぜひ遊びに来てください。
スカウトたちが、紅葉しているイチョウのじゅうたんの中で、自然を楽しんでいる光景を1 枚の写真に収めています。なかなか画面構成的にもすてきな写真です。元気一杯に自然を満喫しているスカウトの表情が表れているのがとても印象的です。

『ハイ! わかりました』
 柴垣 蒼大
兵庫・姫路第6団 ボーイスカウト
ハイキングの途中、問題を解きながら進むゲームを楽しんでいるカブたちの表情をデンコーチをしているボーイ隊の僕が撮影しました。
とてもいい表情をした3 人のスカウトが写しこまれています。画面構成がすばらしく、作者の狙った意図がちゃんと写真に写し出されています。それぞれの考えていることが目の表情に表れて、三者三様で素敵な作品になっています。

『できたよ、ヘビ結び』
 石田 楓夏
宮城・名取第1団 カブスカウトト
くまスカウトで、ロープ訓練をしているところを撮りました。持っているロープが「ヘビ」に見えたので、このタイトルにしました。
ロープをカメラの手前にもってきて、皆さんが訓練をしている表情を全体に入れて撮ったところがなかなかすばらしい。手前の両側にいるスカウトの結び( 手元)がきちんと見えているのが、画面構成的にもなかなか考えた作品になっています。

『火おこし体験』
 石橋 和樹
秋田・秋田第31団
カブスカウト

『けいれい!』
 鬼頭 良治
千葉・柏第10団
カブスカウト

『さんかくふじさん』
 七星 北斗
千葉・千葉第6団
カブスカウト

『みんなで昔にタイムスリップ!』
 藤田 寧々
京都・京都第55団
カブスカウト

『ぼきん活動』
 佐野 珠梨
岐阜・各務原第1団
カブスカウト

『疲れたあとは、ミカンだね』
 長谷川 暖
東京・八王子第7団
カブスカウト

『木の中からひょっこり犯』
 塚本 幸喜
京都・京都第55団
カブスカウト

 

青年・成人の部( 高校生以上)

【応募総数208点】

最優秀
『とびっきりの笑顔!』
 安井 憲郎 神奈川・川崎第43団 カブ隊副長

私のハットを奪った直後の、ちょっと意地悪な笑顔をパシャッ !!
隊長のハットをとって、自分たちでかぶる茶目っ気のある表情がとてもよい。愛想笑いじゃない、本当に楽しんで笑っている表情がなんともすばらしいです。後ろにある建物の造形がそこにうまくフィットして、一つの画面構成になっています。そこまで気をまわして撮ったとしたら、すばらしい画面構成の仕方です。

『もっと食べたい』
 市川 みどり
埼玉・入間第2団 ビーバー隊隊長
野外でお好み焼きを作って食べました。よほどおいしかったようで、食べながら「もっと食べたい」と言っていました。
いかにもおいしそうに食べている表情がなんともうれしそうで、食べる楽しさがみなぎっています。そこに集中して撮 ったのが成功のもとです。人物のまわりが暗くなっているのが、表情をより一層引き立たせています。

『キャンプファイアのエンディング』
 伊藤 茂
大阪・大阪第71団 団委員長
楽しいファイアも終盤になり、静粛に夜話を聞いている場面です。影が幻想的ですね。
キャンプファイアの火を囲んで、キャンプの終わりを楽しんでいる光景がよく出ています。中央のファイアの光の影が放射状になっていて、なんとも幻想的な光景を見せています。なかなかドラマチックな撮り方です。

『とびだせ! 月の輪たち』
 齋藤 剛
埼玉・川口第19団
カブ隊副長

『分かるって楽しい!!』
 姫嶋 真基子
山梨・甲府第6団
保護者

『泥遊びじゃないよ』
 北川 勝久
富山・南砺第3団
ベンチャー隊隊長

『やったー! 釣れたぞー!』
 坂本 聖弥
岐阜・岐阜第17団
ローバースカウト

『各隊の誇り』
 富澤 昇太
兵庫・西宮第21団
ローバースカウト

『なかよしの輪』
 岩村 順子
大阪・大阪第71団
カブ隊副長

『スカウトペース』
 渡邊 真弥子
山口・柳井第3団
カブ隊副長

 

総評

どうしても被写体の説明をしたくなるのが普通ですが、説明的な写真になってしまうと写真がとてもつまらなくなってしまいます。子どもたちがどっぷり楽しんでいる光景を撮ると、写真により生き生きとした雰囲気が写り込んできます。そうするとすばらしい写真が生まれます。

スカウトたちが全身で楽しむ姿でいられるよう、撮影時に工夫することが、よりすばらしい写真を撮る方法だと思います。要するに、撮っている人自身が撮影を楽しんでいるだけではダメで、写る人が楽しんでいるところを撮らないといけない。相手が楽しくゲームをしたりしている自然な姿を撮るためにはどうしたら良いかということを、撮影をしながら考えて、その一番すばらしいところをシャッターで収めることを心がけてほしいです。


審査委員長 田沼 武能氏
たぬまたけよし
東京写真工専卒業後、木村伊兵衛氏のもとで修業、その後フリーに。
高度成長期以前の東京下町の暮らしなどを撮影する。
活躍の舞台を世界にひろげ、各国の子どもたちの写真を撮り続けている。
1995年より2015年まで日本写真家協会会長。
紫綬褒章など多数受賞し、2019年には写真家で初めて文化勲章を受章した。
少年時代、現在の台東第1団(東京第2隊)の前身である大谷健児団でボーイスカウト活動に参加。

 

ボーイスカウト日本連盟機関誌「SCOUTING」2020年5月号より

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